事例: 東洋大学ライフデザイン学部


学生が企画するCGの勉強会

2012年の今年、創立125周年を迎え、3万人以上の学生が学ぶ東洋大学。埼玉県の朝霞キャンパスに学びの中心をおく「ライフデザイン学部人間環境デザイン学科」では、「ユニバーサルデザイン」のコンセプトにもとづいて建築・生活機器・プロダクトのデザインを教えている。

建築、環境、製品、医療、交通など個別に考えるのではなく、建築から住宅、地域プロダクトまでのデザインを総合的に学べるユニークな学科だけに、その授業範囲は広く、CAD演習まで行っている。しかし、最近はCADのほかCGによるビジュアライゼーションにも徐々に着手しはじめCINEMA 4Dも授業で使われることがある。

グローバルイルミネーションを学ぶ

そうした環境の中で、学生もビジュアライゼーションへの関心は高く、昨年に引き続き、今年4月27日にCGの勉強会を学生自ら企画して開催された。企画した桑原亮太さんは次のように語った。

「建築の表現において、私たちは模型を作って写真を撮ったり、手描きでパースを描いたりしてプレゼンテーションします。それらの表現の幅を広げる意味でも、みんなにCGパースに興味をもってほしいと思ったのがきっかけです。

CGでの表現は心がこもってなく、機械的だと思ってる人や、とっつきにくいと思ってる人も多く、手を出す人が少ないのが現状です。だからこそ、逆に、みんながあまり使わない表現としての強みがあると思っています」

まずは概念を学ぶ

当日は、2年生から4年生までの9名の学生が、グローバルイルミネーション機能を持ったCGソフトがインストールされたパソコンを持って参加。また、学生たっての希望で当日は、建築家やデザイナーのCGパースを多数手がける浅古陽介(ライフデザイン学部非常勤講師)氏の協力を得た。ほとんどの学生は無償学生版や同学部で導入しているCINEMA 4Dを使っていた。

勉強会では、リアルなCGに欠かせないレンダリング手法であるグローバルイルミネーションを解説。機能の説明するのではなく、まずはその概念を説明。その説明も、ダ・ヴィンチの話から、各国ごとの空の写真を見て、どのような空を美しい空と感じるかといったことを学んでいった。特に、グレースケール化することにより、コントラストの違いで青空か曇り空に見えるか検証するなど、学ぶ内容はユニーク。この手法は講師の浅古氏が実務で行っているというだけあり実践的だ。

概念の後は、実際にCGソフトを使って照明のテストを行った。それぞれ自分がモデリングした形状にライティングを行いレンダリング。学生同士で教えあいながら、勉強会は時間一杯まで行われた。

CGの難しさを改めて実感

終了後の感想を桑原さんに聞いた。

「今回は、実際に建築デザインスタジオを経営している浅古先生に講師をお願いしたのですが、非常に興味深いお話しが聞けたと思います。

出席したみんなも、難しかったけど、勉強になって楽しかったと言ってくれました。

CGは、労力も少なく、楽なものと思われている部分もありますが、改めて難しさを実感しました。とても良い勉強会になったと思います。

時間いっぱいやりましたが、僕も周りのみんなも、まだまだわからないことだらけです。おそらく、勉強会で学んだことはほんの一部に過ぎませんが、CGパースを理解することは、実際の建築を取り巻く環境を理解することにも繋がっていると思います。それらが、これから建築を勉強していく上で、活かされるのではないかと思っています」

将来に向かって

桑原さんは、将来の希望について次のように語った。

「建築のパースを描くことはずっと続けていきたいと思っています。新築マンションの完成図など、広告として消費されてしまうパースではなく、もう少し、建築に寄ったものが描きたいです。将来、友達と建築設計事務所を開こうと思ってるので、そこで建築パースが描けたら幸せだと思っています」

完成した学生の作品


東洋大学
http://www.toyo.ac.jp/ 

ライフデザイン学部人間環境デザイン学科
http://www.toyo.ac.jp/hld/dhed/index_j.html